2021-12-4 久しぶりに星をみた

星が綺麗だった。空が晴れても雨は降っていて、それが自然みたいに時が流れた。ぽつぽつと体に落ちる小さな雨粒は、体が麻痺してるみたいな感覚だった。今日も散歩をしています。僕は毎日散歩してるけど、散歩をすると少し楽になる。ベンチに座る。ベンチの隅の錆びた鉄は、過ぎ去ってしまったどうしようもなさが形になったみたいだった。少し寂しくなる。同時に優しい気持ちになって、なんで優しい気持ちになるのかな。今日は一段と寒い日で、吐いた息がしばらく残った。息は白には見えなくて、ため息と同時に灰色に濁る。しばらく休憩をして、また歩き始める。僕は帰らないといけない。散歩はそういうものだから。

星が綺麗だった。空が綺麗だと思うのは、なんか久しぶりな気がした。いろんな気持ちを吸い込んで、何事もなかったかのように輝く。星の意味が分かりかけて、結局何も分からなかった。手足が冷たい。誰も歩いてない道を侵略するみたいにゆっくり歩く。もしも明日地球が終わるとして、それでも前を向たいって思う。もしも明日も地球が続くなら、なるべく大きな音で音楽を聴きたい。明日のことは分からないから、大きな音で音楽を聴きながら前を向いています。僕たちは本当によくやっている。

最近月をみていなかった。空が曇っていたのもあるし、月をみるような気分じゃなかった。だから今日は探そうと思って、ぐるっと一周見渡した。プラネタリウムみたいな空だった。黒に穴は空いていなくて、星だけが綺麗に光っていた。月って3日前になくなったんだっけ。元々月なんてなかったみたいな空は高くて、呼吸の音と音楽が響く。あまりに世界が静かすぎて、遠くの星まで音楽が漏れていたらどうしよう。あまりにも寒くて、温かいものが飲みたくなった。家に帰ったらスープでも飲む。そしたら世界に音が戻って、きっと明日は月も顔を出す気がした。