2021-12-2 30秒後に全部消える

すごい早さで巡っていく。単調な日々は抑揚を含めて単調で、盛り上がる場所が分からない。もし星空が全部偽物だったとして、何か大きく変わるのかな。海の一番深いところに潜り込んでしまったペットボトルみたいな、そういう悲壮感とやりきれなさが風景に馴染む。僕たちが前を向こうとすると必ず誰かが目隠しをして、悪意を隠した道路標識を血管の至るところに建てていく。停滞を続ける僕らは死ぬまで交通渋滞。いろんな思いを抱えて重くて、重力は脳に作用する。幽体離脱みたいに心だけ起きて、強迫観念みたいに前に進む。オートで進むみたいな状態で、本当に前に進めてるの。星空の真偽も分からなくて、それと似たようなことだと思った。

風が心地よくなかった。毎日は飛行機雲みたいに景色に馴染んで、30秒後に全部消える。どこか遠くへ行きたいみたいな思いを、最近はあまり感じなくなった。そんなことないかも。そんなことないです。でも今日は思いませんでした。感想文を書いた部分から感情が文字に置き換わるみたいな、ずっと奇妙な気持ちだった。心理学が大嫌いだと言う高校生みたいな、そういう種類の真面目さは、生活の過程でどんどん磨り減る。いろんなことを覚えていたい。

本格的な冬だと思った。生き物の気配が静かになって、春を待つだけの化石になる。アリとキリギリスみたいに分かりやすい寓話なんてこの世のどこにも存在しなくて、全部は偶然で成り立っている。その偶然をものにしたくて、僕は毎朝顔を洗う。今日は少しだけ1人になりたかった。明日も早いからがんばろうと思う。がんばることと逃避行の違いがよく分からない。結局は何かから逃げているだけなの。分からないから考える。いつか心から笑えるといい。